野生生物を食べなければ済む話?-新型ウイルスの発生と畜産を考える(新型コロナウイルス/COVID-19/武漢肺炎と関連して

中国で野生生物が食用禁止にされたという。

「中国国営新華社通信などによると、中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の常務委員会は24日、野生動物の食用利用の禁止を決定した。新型コロナウイルスが、湖北省武漢市の海鮮卸売市場で販売されていた野生動物から人に感染した可能性があるとみられるためだ。

 決定は「野生動物の不法取引を全面禁止し、むやみに野生動物を食べる悪習を排除し、人民の生命・健康・安全を適切に保障する」としている。ウサギやハトなど人工飼育が確立された一部を除き、陸上の野生動物の食用利用を禁止する」2020/02/24の読売新聞オンラインより引用

しかし、新型コロナウイルスは武漢の海鮮市場から発生したのではない。中国科学院の研究者らは遺伝子研究によって既にそのことを確認済みだ。

出典:基因研究证实新冠病毒并非来自华南海鲜市场

中国では当初、野生のコウモリを人間が食べたことにより、コウモリのウイルスが人間に感染したのだと発表していたようだが、そもそも発生源とされた問題の海鮮市場にはコウモリは売っていなかった。

野生動物の肉価格表海鮮市場の価格表。さまざまな野生動物が名を連ねる中でコウモリ(漢字表記は蝙蝠)の記載はない。市場関係者らも当時市場でコウモリが販売されていなかったことを証言している。

出典:研究成果公布:华南海鲜市场被冤枉了,新冠病毒来源正在接近真相

 それでもなお、このタイミングで「野生生物の食用禁止」を発表をするのは、新型コロナウイルスが野生生物から発生したものだという印象を世間に与えたいから、とわたしの目には映る。このウイルスが武漢のウイルス研究所で(あるいはより海鮮市場に近い疾病対策予防管理センターで)人工的につくられたものだという真相を隠すためのカモフラージュではないか、という疑念を拭い去ることができない。

また、野生生物を食べなければ新しい病原体が発生しない、というのも大間違いであることを指摘したい。

近年発生した鶏インフルエンザ、豚インフルエンザなどはその名前からもわかるとおり、畜産の現場から発生したと考えられている。大規模な畜産場は、個体密度が高く不衛生な環境になりがちであることから、新しい病原体を生み出しやすい。最初は畜産場で鶏または豚にしか感染しないウイルスが発生し、それが周辺の集落などで人間にも感染するように変異し、そこから拡がっていくと考えられている。

また、腸管出血性大腸菌O-157は穀物を与えられる牛の胃袋の中で発生する。牛にとっての自然な食事は草であって、穀物ではない。牛も人間も同じく、不自然な食事をすることで病気になるのだ。草を飼料としてしばらく与え続ければ、牛の胃袋の中のO-157は自然に消えるという。

BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)も、O-157も、鶏インフルエンザも、豚インフルエンザも、すべて人間が畜産によって生み出した現代病だ。

だから新しい病原体の発生を防ぎたいのならば、野生生物を食べることを禁止するよりも、畜産を禁止する(あるいはもっと小規模化する)ほうがより理にかなっているといえるだろう。

「日本の農村では野生の鹿や猪が増えすぎて畑を荒らす「獣害」が
切実な問題になっています。
獣害を防ぐために殺されて、ただ埋められる動物も多いのです。
そうした野生動物をもっと食用に利用し、畜産を小規模していくことのほうが、
新型病原体発生を防ぐためにも、生きものの命を生かすためにも望ましいと思います」

美絵似顔絵イラスト

自然療法家 安田美絵
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(ルナ・オーガニック・インスティテュート@品川)
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