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水を飲み過ぎていませんか?

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先週末初めて教室に来た30代の女性。食にずいぶんと気を使っているのに、疲れやすいし、むくみがひどいと言いいいます。「夕方になると足がむくんでくる?」と聞くとうなずきます。これは腎臓が疲れている証拠です。

腎臓に負担をかける食べものは、たんぱく質。特に動物性たんぱく質の摂りすぎはNGなのですが、彼女は肉も魚もたまにしか食べない。お酒も腎臓の負担になりますが、それも飲まない。砂糖も負担ですが、お菓子もほとんど食べず、煮物などの味付けに使う程度だといいます。ただ全体的に過食気味だというので、そのせいかな、とも思いましたが、いろいろ話していて、やっと最大の原因がわかりました。それは……水分の摂りすぎです。

「水を飲むと健康にいい」という思い込みで、喉が渇いてる、いないに関わらず、しょっちゅうお茶などを飲んでいたようです。世間では俗に「1日に2リットル水を飲むといい」などと言いますね。

本当に水を飲むのが健康にいいのか、ここでじっくりと考えてみましょう。

あなたが水を飲みたくなるのはどういう時ですか?

    「暑くて汗をかいた時」→失われた水分を補いたくなります。

    「しょっぱいものを食べた時」→体内の塩分を一定に保とうとする本能が働いて、水で薄めたくなります

他には?

    「お酒を飲んだ後」にも、水が飲みたくなりますよね?

これはアルコールを分解してできた毒を、尿とともに体外に排出しなければ、という本能が働くために、水が飲みたくなるのです。

つまり、毒を排出するためには水が必要だ、ということです。世間で「水を飲むと健康にいい」という人たちも「水を飲むと体内にたまった毒を排出できる。デトックスできる」というのを主な効用として挙げていますが、そのとおり。それはたしかに間違ってはいません。

しかし、「水を飲んで毒を出そう」と主張する人たちが見落としている重要なことがあります。それは「毒を摂取しなければ、それを排出する必要もない」ということです。

「毒」になるのは、食品添加物、農薬、アルコール、タバコ、病院の薬など。また、肉も消化器の中で次第に腐って微量の有毒ガスを発生します。こうしたものを極力摂取しないように気を付けていると、排出すべき毒がないため、喉が渇かなくなってきます。

わたしも昔は毎日マグカップ3~5杯くらいのミルクティーをゴクゴク飲んでいましたが、加工食品や外食をほとんどやめ、オーガニック食品で自炊中心の食生活に改めたところ、ほとんど喉が渇かなくなりました。ほぼ毎食味噌汁を飲むし、食事もしっかり食べるので、その水分だけでほぼ足りてしまい、夏をのぞいて、それ以外に飲むのはお茶1日1杯だけだったりします。

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腎臓の最大の役割は体内の水分量の調整です。水を飲めば飲むほど、それを排出するために腎臓が働かなければなりません。食事以外で1日に2リットルも水を飲むのは、腎臓にとって大きな負担です。「テレビで1日2リットル水を飲むといい、と聞いたから実行したところ腎臓病になった」として、みのもんたを裁判で訴えている人もいる、とインターネットで読んだこともあります(真偽は確かめていませんが)。

「毒を摂取してそれによって体を痛め、その毒を排出するために大量の水を飲んで、また腎臓に負荷をかける」のは非効率的なだけでなく、それだけリスキーなことなのです。外食を頻繁にする現代人が、水とともに毒を排出しようとするのは、まったく意味がないこととは言いませんが、それよりも「毒を摂取せず、水も必要最低限しか飲まない」ほうが、体の負担ははるかに少なく、それこそが目指すべき理想なのです。そこを誤らないでください。

なるべく毒になるものを体内に入れないように心がけ、そして水は本当に飲みたいときにだけ飲むようにしましょう。「なんとなく飲む」とか「気分転換に飲む」というのは避けましょう。

「肝腎要(かんじんかなめ)」という言葉があるように、腎臓は健康の要。腎臓が疲れてしまうと、トイレが近い、体全体が弱っていつも疲れやすい、朝は顔がむくみ、夜は足がむくむ、などの症状が現れます。そんな症状のある人は特に要注意。水の飲みすぎにはくれぐれも注意してくださいね。

 

 

 

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