問題だらけの糖質制限ダイエット
第1回-糖質制限ダイエットって何? 何のため?
近年人気の糖質制限ダイエット。
やせたいから…。そのほうが健康にいいから…。
という思い込みで、ご飯やパン、麺などの主食を極端に減らし、おかずばかり食べる人が増えています。
でも、そこにはさまざまな問題が潜んでいることを知っていますか?
腎臓への負担から来る疲労や老化、ガンのリスク……将来的な危険まで見越していますか?
環境への負荷も考えていますか?
一緒に、視野を大きく広げてこの問題を考えてみましょう。
●糖質制限ダイエットとは
糖質が多く含まれる食べもの(ご飯、パン、麺類、糖類など)を制限する食事法。
おすすめの糖質摂取量は提唱者によって違いますが、主食のご飯を完全に抜いたり、1食40g程度(通常なら女性でも160g程度ですからその1/4)にするなど、穀物を極端に減らすことを推奨する例が目立ちます。その代わりのエネルギー源として、肉・魚・豆腐などたんぱく質を豊富に含む食品(や脂質)を多く摂取することが推奨されています。主食代わりに野菜を大量に食べる人もいます。
●そもそも「糖質」って何?
植物が光合成によって作り出す主成分が「炭水化物」。
そのうち、人間のエネルギー源として利用できるものを「糖質」、利用できないものを「食物繊維」と呼んで区別しています。
糖質の中には、穀物の主成分である「でんぷん」や、砂糖に代表される「糖類」などがあります。
●糖質制限をする人の目的は?
〇やせる?
糖質が足りなくなると、体に蓄えられた脂肪がエネルギー源として利用されるため、体重が減るとされています。
また、たんぱく質や脂質が血糖値(血液中のブドウ糖の値)を上げないのに対し、糖質を摂取すると、血糖値が上がります。血糖値を下げるために膵臓から分泌されるインシュリンには、血糖を中性脂肪に変えて脂肪細胞に蓄える働きがあるため、太る原因になると考えられています。
また、たんぱく質は少量でも満腹感が得られるため、全体の食事量が抑えられ、食欲を我慢しなくてもやせられる、というのもポイントのようです。
〇糖尿病の予防・改善にいい?
膵臓の機能が衰えて、血糖値をコントロールできない状態が糖尿病。糖質の摂取を制限することで、血糖値の上昇が抑えられますから、膵臓がインシュリンの分泌に過剰な負担を強いられることがなくなり、糖尿病が予防できるという考え方があります。糖尿病を発病しても、糖質制限ダイエットで血糖値の過剰な上昇を防ぎ、病状が改善できるとして指導する医師が増えているようです。
〇ガンにならない?
ガン細胞の栄養源はブドウ糖で、しかも通常の細胞の何倍ものブドウ糖を消費するといわれています。そのため、血糖値を抑えることでガンの成長を抑制したり、予防したりできる、と考える医師も中にはいるようです。
さて、こうした巷でいわれるようなメリットは本当なのでしょうか?
次回からじっくりと検証してみたいと思います。
「定食屋さんでは『ご飯抜きで』と頼む若い女性を最近よく見かけるし、乳がんをやったことのある若い女性は、再発防止のためお医者さんに糖質制限をすすめられたんですって。でも、それがいいとはわたしには思えません。理由は……これから少しずつ説明しますね!」
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