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腎臓ー人体の情報ネットワーク基地

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10月から月1回放送しているNHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」は見応えがあります。
従来は脳からの信号がさまざまな臓器に送られ、臓器の側ではそれを受け取るだけ、と考えられていたのが、最近では、さまざまな臓器がそれぞれに信号を発し、臓器同士で情報交換をしていることがわかってきたといいます。
その人体に張り巡らされた巨大な情報ネットワークの中でも特に重要な情報基地となっているのが「腎臓」です。

腎臓と膀胱-01-01

「肝腎要(かんじんかなめ)」という言葉があるくらいで、腎臓はまさに健康の要。
東洋医学ではとっくの昔にわかっていたことではありますが、科学・西洋医学でも、そのことが証明されてきているようです。
尿をつくって、老廃物を排泄し、水分を調整するだけでなく、
血液の成分を調整する(ミネラルバランスやpHを整える)
赤血球の量を調整する
血圧を調整する
など、多くの働きをしています。

多くの臓器と信号をやりとりする、情報のネットワーク基地である腎臓は、それゆえに、他の臓器が弱ると、その悪影響も被りやすいといいます。
そして、何らかの病気で入院した患者が、その影響で急性腎障害に陥り、さらにその影響で多臓器不全となって死んでしまう、ということが実は多く起こっているそうです。
イギリスのワージング病院では、あらゆる病気の入院患者の腎臓の状態を常にリアルタイムで監視しており、患者の誰かが急性腎障害になると即時に警告が出るようになっています。
急性腎障害に陥った患者に対し、病院が取る手段……それは、一時的にすべての薬をやめてもらうことです。
薬をやめることで腎臓の負担が減り、腎障害が治って、命の危険を脱することができるといいます。
そう、薬(をはじめとしたあらゆる化学薬品)は腎臓に大きな負担なのです。
これはどこか調子が悪いと、すぐに病院で薬をもらって飲みたがる、多くの日本人にぜひ知ってほしい事柄です。

また、腎臓が寿命を決めるカギを握っていることもわかってきたといいます。
動物の寿命はほぼ体の大きさに比例しており、ねずみは2年半ほど。羊は20年、象は70年。しかし、人間は象よりずっと小さいのに75年。こうもりも羊よりずっと小さいのに30年、というふうに、体の大きさでは寿命を説明できない動物もいます。
では何が寿命の決め手なのか……それが、血液中のリンの量だといいます。
血液中のリンが少ない動物ほど寿命が長い、というのです。

リンは体にとって必要不可欠なミネラルであり、少なすぎれば呼吸不全、心不全、骨軟化症などになってしまいますが、多すぎれば老化の加速につながることが、最新の研究で明らかになってきました。

遺伝子操作で偶然に生まれた老化加速マウスは寿命が2カ月半しかありません。
その血液中のリンは14mg/dl。
通常のマウスが7.8mg/dlなので、2倍近くになっています。
なぜリンが老化を加速させるのかは解明途上だといいますが、リンが増えることで血管の石灰化が進み、血管が硬くなることが一因といいます。

腎臓では糸球体で血液を濾して原尿をつくり、それが尿細管を流れていく過程で、必要なミネラルを再吸収し、不要なミネラルは吸収せずに排出します。

ネフロン-01-01

つまり、リンをどれだけ吸収するか、調節するのは腎臓なのです。
そのため、腎臓の働きが落ちると、リンを余分に吸収してしまい、老化が加速することになります。

わたしはこれを聞いて、深く納得。
やはり丈夫な人ほど(=健康の要である腎臓も丈夫)見た目の若さも保っていることが多いように思います。
生まれつき腎臓が弱いわたしは、腎臓に極力負担をかけないような食生活を心がけるしかありません。
わたしが腎臓を守るために心がけていることは……
たんぱく質を食べ過ぎない。
特に動物性たんぱく質は極力少なめに
お酒は極力控えめに
砂糖は摂らない
農薬のかかっていない野菜を選ぶ
食品添加物の入ったものは避ける
全般的に食べ過ぎない(あまり実践できていないけれど、笑。目標です)

野菜ならいくら食べてもいい、と思ってしまいがちですが、野菜も食べ過ぎればミネラルバランスが崩れて、ミネラルを調節する腎臓にとっては負担となります。
健康のためには少食が一番。気を付けましょうね(と、自戒を込めて言っております、笑)。

番組はNHKオンデマンドでご覧になれますよ。
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2017082033SA000/

美絵似顔絵イラスト
自然療法家 安田美絵

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