前回(=「腰痛も食べものが原因? 腰痛の話①」)、腎臓の負担になる食生活が腰痛を引き起こす可能性があること、その原因としてミネラルのアンバランスがあることを挙げました。
腎臓の負担になる食事には他にもさまざまなものがありますが、まず筆頭に挙げられるのが、砂糖と、たんぱく質です。左の腎臓の上を叩いて痛い人は、砂糖の摂り過ぎ、右側が痛い人は、肉や魚など動物性たんぱく質の摂り過ぎが疑われます。
わたしももともと腎臓が弱く、タイではぎっくり腰を3回も起こしたわけですが、日本に帰って来てマクロビオティックの食事をするようになってから、腰痛で困ることもほとんどなくなりました。それが一時期、慢性的な腰痛になって、前屈みになると腰が痛いため、靴下を立ったまま履けない、腰かけてからでないと履けない、という状態になったことがあります。その原因は動物性たんぱく質の摂り過ぎだと考えています。
「サルでもわかるTPP」を書いたことで、全国各地からTPP講演に呼ばれるようになり、2012年と2013年には年間30件以上もの講演を行ったのですが、講演の後に懇親会に招かれ大層なご馳走にあずかることが多々ありました。
初めて出張講演に行った出雲では、「日本海側の魚! 放射能を気にせず食べられる!」と欣喜雀躍し、出された「ぶりしゃぶ」をたらふくいただき、2次会では寿司屋に連れて行っていただいて、またまたたらふく寿司を食べ、食べ過ぎのあまり苦しくて眠れないほどでした(笑)。(根が食いしん坊なもので…。真似しないでください)
「地元の郷土料理をぜひ召しあがっていただきたい」と言われ、素朴な和食を期待していると、それが牛しゃぶだったりしたこともありました。でも心づくしの品であり、地元の自慢でもあるものを、いただかないわけにもいかず、「まあ、たまのことだから、いいか」と思い、そんな時もありがたくいただくようにしていました。途中からは「お肉は食べられないんです」と言うようにしてみたのですが「魚ならいいですよね?」と聞かれ「少しなら」と答えると、刺身、焼き魚、天ぷら、煮魚……と今度は魚のオンパレードで、野菜はほとんどなかったり、ご飯もなかなか出て来なかったり……。
そんな食事を月に2~3回くらいの割合で続けたところ、ふだん家では粗食にしていても、やはりだんだんに腎臓が疲れて来てしまったのです。腎臓を叩くとはっきり痛いので、やばいなー、と思っていたところ、最後は腰のあたりにはっきりとした違和感が現れ、右の腎臓の上を手で触っただけでも痛い、という異常な状態に陥りました。
腎臓の汚れをクリアにしてくれる第二大根湯というマクロビオティックの手当法を試したところ、妙な違和感があった腰のあたりが、急にぽかぽかと温まって来て、明らかに効いているのがわかりました。
第二大根湯の2~3度の服用で、「腰(右の腎臓のうえ)を触っただけでも痛い」という異常な状態からはなんとか脱却できました。
しかし、右の腎臓の上を叩くと痛い、腰を曲げると痛い、という状態からはなかなか脱却することができませんでした。第二大根湯も、3回目以降は効果が実感できなくなり、3週間ほど続けてやめました。動物性食品の摂り過ぎを反省し、1~2カ月は完全に菜食とし、その後2年近く、動物性食品は1日平均10gくらいに抑えるように努力しました。
そうしたところ、やっと朝起きたときには、左右どちらの腎臓を叩いても痛くない、というところまで回復しました。(夜になってから叩くといまだに右側は痛いですが)
同時に、前屈みになると腰が痛くてつらい、という状態からも脱却できました。今ではもう腰かけなくても靴下が履けます(それが当たり前ですが)。ただ、腎臓は一度悪くなってしまうと、回復には大変な時間がかかるということもわかりました。
たんぱく質が腎臓に負担をかけることは西洋医学でもわかっているので、腎臓病の人はたんぱく質の摂取量に制限が課されます。それなのに、「糖質制限ダイエット」などと称し、炭水化物を食べずに(あるいは量を抑え)、たんぱく質を大量に食べることを推奨する食事が流行っていることに大変な危惧を感じています。
わたしの糖尿病の親戚も、医師の指導のもと、たんぱく質を主体にした食事をしていますが、そんなにたんぱく質ばかり食べて腎臓は大丈夫なのかしら、とずっと疑問に思っていました。最近、その親戚が椎間板ヘルニアだという話を聞いて、(やっぱり)という思いです。
糖質制限ダイエットが流行ることで、今後腎臓病の人や、腰痛の人、椎間板ヘルニアの人などが大量に出てくるのではないか、と心配しています。
砂糖に関しては、わたしはほとんど摂らないので、自分自身の失敗談はありませんが、前回の腰痛の記事を読んで「わたしも最近ヘルニアで」とコメントをくれた友人は甘いものが大好き。やはり砂糖の摂り過ぎでヘルニアや腰痛になっている人も多いのでは、と推測しています。
腰痛に関するわたしの失敗談はまだ他にもありますので、またいずれご紹介しますね。
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