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アレルギーのメカニズム

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国民病ともいえる花粉症をはじめ、アトピー性皮膚炎など、さまざまなアレルギーが増えています。

アレルギーは生まれ持った体質も関係しないわけではありませんが、ある日突然発症するものもあり、生活の中で体質が変化していくことが原因になると考えられています。

その根本的な原因として近年注目されているのが「リーキーガット症候群」です。

リーキーガットとアレルギーのしくみ

「リーキーガット」は直訳すると「漏れやすい腸」です。これは腸壁が緩んでしまって、通してはいけないものを通してしまう状態を指します。

たんぱく質は消化酵素の働きで、たんぱく質→ペプトン→ペプチド→アミノ酸と、次第に分解され、アミノ酸になってから初めて腸管から吸収されます。

しかし、腸壁が緩んでいると、アミノ酸になる前のたんぱく質の状態で吸収されてしまいます。

細菌やウイルスなどもたんぱく質でできていますから、体は食物のたんぱく質を外敵と勘違いして、それに対する抗体をつくります。

 

たんぱく質が漏れ出すごとに、それぞれのたんぱく質に特化した抗体がつくられます。

卵のたんぱく質なら卵に対する抗体、牛乳のたんぱく質なら牛乳に対する抗体がつくられます。

その特定の食べものを食べるごとに、体内にそれに対する抗体が増えていきます。

抗体がある一定程度の量に達すると、アレルギー発症準備が整ったことになります。

そして次に同じ食べものを食べると、抗体は肥満細胞に乗って、出動します。

 

出動した抗体は、目当てのたんぱく質にくっ付いてそれを封じ込めようとします。

と同時に、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの刺激物質が放出されます。

 

ヒスタミンやロイコトリエンは粘膜を刺激し、鼻水やくしゃみ、眼のかゆみ、発赤、痛みなどの炎症が引き起こされます。

これがアレルギーのメカニズムです。

問題はなぜ腸が緩むのか、です。

原因1-遺伝子組み換え作物

アメリカの場合には、最大の原因は遺伝子組み換え農作物だとわたしは考えています。遺伝子組み換えで一番多いタイプは「除草剤耐性」タイプ。次が「殺虫性」タイプです。これは、昆虫の消化器を破壊して殺す「Bt毒素」という毒を持たせたものです。

遺伝子組み換え推進派は「昆虫の消化器と人間の消化器は違うので人間には害はない」などと言いますが、それは嘘で、実際には害があります。昆虫のように死ぬことはありませんが、人間の消化器もやはり傷つけられるのです。そのため、遺伝子組み換え農作物から作られた加工品の摂取をやめることで、劇的に健康が改善した、という人がアメリカには多く存在します。

しかし、日本では事情が違い、表示義務の関係でBt毒素を含む加工食品は日本ではほとんど流通していません(厳密にはゼロとは言えませんが、含まれていたとしてもアメリカと比べればごく微量といえます。細かい話は複雑なので、ここでは省きます)。

では、日本では何が原因なのでしょうか?

原因2ー抗生物質

わたしはひとつは抗生物質だと考えています。抗生物質は細菌を殺す薬剤で、服用すれば、病原菌を殺すだけでなく、腸内の有用な細菌も大量に殺してしまいます。人間の細胞が全身で37兆個なのに対して腸内細菌は100兆もいるといわれており、欠かすことのできない大切な存在です。それが大幅に死んでしまえば、当然腸は正常な状態を保つことができなくなります。本来腸内では細菌と真菌の割合は1001程度なのですが、細菌が大量死するとその間隙をついて真菌が大量増殖します。真菌はツタが這うように腸壁に食い込みながら増殖します。それによって腸壁が傷つき、リーキーガットを引き起こすのです。

真菌の一種、カンジダ菌

 

微生物にはウイルス、細菌、真菌があり、抗生物質は細菌にしか効きません。風邪の原因はウイルスなので、抗生物質は風邪には効きません。それなのに日本の病院では効きもしない抗生物質を風邪の患者にいとも気軽に処方します。これは日本の病院の重大な悪弊であるとわたしは考えています。

一度でも抗生物質を服用したことがある人は、みな腸内細菌と真菌のバランスが崩れている可能性があります。これが日本人のリーキーガットを増やす大きな要因になっているのではないでしょうか。

原因3-予防接種(アレルギー体質の原因)

体内の抗体の総量が増えれば増えるほど、他の物質に対してもアレルギーを起こしやすくなります。いわゆる「アレルギー体質」です。アレルギー体質をつくる大きな要因のひとつが、近年の過剰な予防接種である、とわたしは考えています。予防接種というのは、特定の病原体に対する抗体をつくることを目的に接種するものですから、接種によって確実に体内の抗体は増え、アレルギー体質をつくる素因となります。

近頃は聞いたこともないような病気の予防接種も子どもに推奨されており、かなり密なスケジュールでさまざまな予防接種を受けさせられているようです。これも子どもたちのアレルギーを増やす大きな要因になっているでしょう。

(予防接種はリーキーガットの原因というよりはアレルギー体質をつくる原因といえますが、一部の特殊な体質を持った子どもがMMRワクチンを受けることでリーキーガットになり、それが自閉症の原因になる、という説もあります。)

あるお母さんは、3人の子どものうち1人だけは予防接種をほとんど打たせなかったら、その子どもだけがアレルギーと無縁でいる、と話してくれました。

このように不必要な医療がアレルギーの原因になっている部分が大きいのでは、とわたしは考えていますが、そうした体質を食生活によって改善していくことは可能です。

食生活のうえでは、何がリーキーガットの原因になるでしょうか。

マクロビオティックの陰陽の考え方でいうと、陰性のものには緩める働きがありますので、陰性の強いものを摂りすぎることで、腸壁が緩んでしまうことが考えられます。では、陰性のものとは?

 

原因4ー化学物質

農薬や食品添加物、あるいは病院でもらう薬などの化学物質はすべて陰性です。

農薬のかかった野菜や添加物の入った加工食品などから化学物質を摂れば摂るほど、リーキーガットも悪化すると考えられます。殺虫剤などの農薬は腸を緩めるのみならず、腸壁を傷つけるであろうことが容易にイメージできるのではないでしょうか。ですからリーキーガットを治すためには、加工食品を極力減らし、農薬のかかっていないオーガニックの食材を使って自炊することが効果的なのです。

小麦は?

近年小麦悪玉論が流行しており、小麦たんぱくのグルテンがリーキーガットの原因になるという言説も時折みかけますが、わたしはこれに関してはピンと来ません。たんぱく質そのものが毒であるケース(Bt毒素は別名Btたんぱくともいわれ、たんぱく質でできています。新型コロナウイルスのスパイクたんぱくも害があることがわかっています)を除き、食べもののたんぱくで腸に穴が開くというのは、イメージしにくいではありませんか。

小麦そのものではなく、小麦に含まれる農薬こそが問題なのだとわたしは考えています。

近年小麦を収穫する前に、ラウンドアップという除草剤をわざわざかけて小麦を枯らす、という農法が海外では広まっています。

このラウンドアップ(は商品名で、主成分はグリホサート)は、発がん性物質でもあることが確認されており、健康に有害であることは明らかです。

そんなものをわざわざ小麦にかけるのは、早く枯らすことで乾燥を早め、カビの発生を防ぐためだそうで、海外では使用が一般化しているのです。

日本の小麦の自給率はわずか15%(令和2年度食料需給表より)で、残りはほとんどアメリカ、カナダ、オーストラリアから輸入されています。そしてこれらの国ではどこもラウンドアップが使用されているのです(ごく一部の州で使用が禁止されていますが)。(参考資料:世界に広がるグリホサート規制の動き

海外の小麦は収穫前(プレハーベスト)に発がん性物質の除草剤をたっぷりかけられ、さらに輸入する過程で船倉でカビなど生えないよう殺菌剤、殺虫剤などのポストハーベスト農薬をさらにまたたっぷりと噴霧されます。ですから輸入小麦は毒まみれなのです。

こうしたプレハーベスト農薬・ポストハーベスト農薬が、腸壁を傷つけていると考えるほうが理にかなっているのではないでしょうか。

パンやクッキー、クラッカーなどの小麦製品は食べるときに歯にくっつきます。こうした歯にくっつく食品は腸壁にもくっついて腸のうるおいを奪ってしまう、とマクロビオティックでは考えています。ですから、もともと腸にもあまりよくないのは確かなのですが(同じ小麦製品でもうどんやそうめんなど歯にくっつかない食品は別です)、だからといって小麦そのものが腸壁に穴を開けるところまで行くかというと疑問です。

輸入小麦でつくられたパンやクラッカーなどのかけらが腸壁にへばりつき、それに含まれる農薬類が腸壁を刺激し続けることによって、腸壁に穴が開く、と考えるほうが自然でしょう。

リーキーガットから吸収された小麦たんぱくが、さまざまな炎症の原因になることは考えられますが、小麦たんぱくが腸壁から吸収されるのはリーキーガットになった結果であって、リーキーガットをつくる原因ではない、というのがわたしの考えです。

原因5ー砂糖

陰性のものの代表は砂糖です。砂糖を摂るととたんにアトピー性皮膚炎がかゆくなる、などの例は多くみられます。リーキーガットを治すためには、白砂糖は摂らないようにしましょう。果物やかぼちゃ、さつまいもどの自然な甘みを利用したり、身体への作用が穏やかな米飴などの甘味料を少量使うにとどめるのがおすすめです。

 

原因6-冷たいもの

他に陰性のものとしては、冷たいものがあります。氷の入った冷たい飲みもの、アイスクリーム、かき氷などは腸を冷やし、腸壁を緩めてしまう可能性があります。お腹の弱い人は、これらの食品を摂っただけで、お腹が緩くなる=下痢してしまうのも、陰性の力の働きです。

肉・卵・乳製品にも注意

他に腸を痛める可能性のあるものとしては肉、卵、乳製品が挙げられます。「腐」という字は肉が「腑」の中に入ると腐る、ということを示している漢字です。

つまり、肉は消化器の中で次第に腐ってゆき、インドール、スカトール、硫化水素、アンモニアなどの有毒ガスを腸内で産生します。こうした有毒ガスは腸壁を傷つけますので、食べすぎは要注意です。

では、どんな食べものが腸壁をいたわってくれるのでしょうか。

次回のブログでお伝えしたいと思います。

「無駄な医療が人々の健康を害していることを思うと、とても腹立たしくなります。みなさんはどうかその犠牲にならないよう、よく注意してくださいね」

美絵似顔絵イラスト
自然療法家 安田美絵

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