わたしが血糖値スパイク対策として筋トレをやってみようと思い立ったのは『血糖値がみるみる下がる-7秒スクワット』(宇佐美啓治著)という本を読んだのがきっかけでした。
余った血糖はグリコーゲンとして肝臓と筋肉に蓄えられる、ということは以前から知ってはいましたし、年齢とともに筋肉が衰えていくということも、高齢の母などを見てよくわかっていたつもりでしたが、自分の筋肉がどれだけ衰えているかということについては自覚がありませんでした。
しかし、ある日ふと思いついて腹筋体操(昔ながらの、横になって頭の後ろで手を組んで上体を起こすもの)をやろうとしたら、なんと! 1回もできなかったのです!
いくらわたしが軟弱で運動嫌いだとは言っても、10代の頃は10回くらいは腹筋体操ができたものです。それが1回もできないなんて……。筋肉って使わないと、こんなにまで衰えてしまうものなんだ、とわたしは愕然としました。
そうして自分の筋肉の衰えを自覚してまもない頃、上記の本のタイトルを見て、あ、これだ! とピンと来たのです。
血糖を蓄える筋肉を増やせば、おのずと血糖の吸収はスムーズになります。だから筋トレが有効なわけですが、中でも一番効果的なのがスクワット。というのは、ヒトの体の中で一番大きい筋肉は大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)、2番目に大きいのが大殿筋(お尻の筋肉)、3番目に大きいのがハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)と、下半身に集中しているからです。
「7秒スクワット」とは
①足を肩幅よりも広く開いて立つ
②腕は前に出す(バランスを取るため)
③5秒間かけてゆっくりと膝を曲げる(太ももが床と並行になるまで。無理な人はできるところまで)
④2秒間止める
⑤5秒間かけてゆっくりと膝を伸ばす
というもの。これを10回で1セット。1セットごとに30秒~1分程度の休みを入れて1日3セットを週に2回やるだけでもOK、というのがその本の主旨で、いろいろな対策をしても改善のみられなかった糖尿病患者さんが、このスクワットをやるだけでどんどん改善しているそうです。
わたしもヘモグロビンA1cの数値が基準値(5.6未満)越えの5.8から正常値の5.0へと大幅に落ちたことは前回の記事で述べたとおり。血糖値スパイク自体は完全に無くなったわけではないのですが、以前よりは低くなっているので、最近は気にしすぎないようにしています。
7秒スクワットは筋肉を鍛えて筋肉の量を増やすだけでなく、食事の直後に行うことで、より一層血糖値を低下させる作用をもたらします。というのは、実は筋肉は運動後1時間に限りインスリンがなくても血糖を取り込むことが近年わかってきているのです。運動することで筋肉が蓄えていたグリコーゲンを使い切ってしまうと、インスリンなしでも、血糖はどんどんと筋肉に取り込まれていきます。なので、食後に箸を置いてすぐ筋トレをすれば、血糖を取り込む量はより一層増えることになります。
食後すぐのウォーキングなども血糖値対策として一般的にすすめられていますが、ウォーキングなどの有酸素運動では筋肉の中のグリコーゲンの蓄えを空っぽにすることはなかなかできません。それと比べて筋トレは筋肉の中のグリコーゲンを使い切るのに適した運動なので、血糖値低減の効果が上がりやすいのです。
血糖値やヘモグロビンA1cの数値が気になっている方は、ぜひ試してみてくださいね。
「健康の半分は食事で決まる、とわたしは考えています。つまり、食事だけですべてを解決することはできないのです。運動、睡眠など、生活全般を見直すことで健康を実現していきましょう」
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