食養相談(&イネイト活性療法による原因診断)の事例のご紹介です。
40代女性
症状 肩こり、冷え性、体脂肪率が高い、やや疲れやすい
食事日記を見せていただくと、特にマクロビオティックの食事というわけではなく、肉や魚のメニューも結構召し上がっていらっしゃるようでした。
冷え性について詳しく聞くと、昔からお尻だけが特に冷えるとのこと。腰ではなく、お尻だといいいます。
特定の場所だけが冷えるという場合、わたしはまずその場所を走る経絡を考えます。
2本に分かれてお尻を縦断しているのは膀胱の経絡。
「膀胱が弱いのでは」というと、他の鍼灸だったかの治療院でも同じことを指摘されたこともあるし、思い当たることがあるといいます。
膀胱と腎臓は表裏一体なので、膀胱が弱い人はたいてい腎臓も弱っているものですが、今のところその兆候は読み取れませんでした。
腎臓が弱い人は、ウエストの後ろをこぶしでドンドンと叩くと鈍い痛みがあるものですが、それはまったくないといいます。
けれどもお父さまが腎臓病で、最近急速に悪化して、人工透析になってしまったとのこと。
同じ体質を持っている可能性もあるので、それが心配とおっしゃいます。
腎臓の負担になる飲食物にはさまざまなものがありますが、食事日記を見てまず気になったのは、たんぱく質の摂り過ぎかも、ということでした。
「ここに豚ロースのステーキと書いてありますけど、何グラムくらい召し上がってます?」と聞くと「80gくらいのを2枚」とおっしゃいます。
つまり、一度に160gということ。
たんぱく質をどの程度摂取すべきかについてはさまざまな考えがありますが、わたしは国のつくった「食事バランスガイド」の推奨する量が無難なラインだと考えています。
それによれば、たんぱく質を多く含む主菜、すなわち肉、魚、卵、大豆製品などを、成人女性で1日に3~5単位摂るのが目安となります。
1単位は、卵なら1個、納豆なら1パック、木綿豆腐なら100g(約1/3丁)、肉や魚なら30gです(含まれるたんぱく質に換算すると6gとなります)。
たんぱく質の摂り過ぎは腎臓の負担なので、腎臓が弱い人ならば、主菜は1日合計3単位くらいにしておくのがいいのです。
ところがこの方の場合、豚肉160gということは、1食だけで5単位以上召し上がっていたわけで、たんぱく質の食べ過ぎということになるのです。
今はまだ腎臓に問題はないようですが、問題が出てからでは遅いのです。
今のうちに腎臓に負担のない食生活に変えていただき、一生健康な腎臓のまま過ごしていただけるよう、たんぱく質を抑えるのをおすすめしました。
なお、動物性食品を摂るか摂らないか、摂るならどの程度摂るべきか、というのも悩みどころのひとつです。
これについてはイネイト活性療法による検査を行いました。(一種の筋反射テストのようなものです)
それによると、この方は1週間に200g程度までなら食べても大丈夫、とという診断結果でした。
さんま1匹が100g程度ですから、週に2回さんま1匹程度を食べて、残りの日は菜食にする、という手もありますし、
あるいは肉野菜炒めに薄切り肉が3-4切れ入っている、という程度の量を毎日食べても結構です。
基本的には肉よりは魚のほうが無難で、特に血管、心臓、大腸のためには魚のほうが断然いいのですが、腎臓へのダメージという点では同じか、むしろ逆に魚のほうが若干負担が多いような気がしています。
理由は明確ではありませんが、世界中の海の汚染が進んでいるため、さまざまな化学物質や重金属(場合によっては放射性物質)などの蓄積が、魚のほうが多いからかもしれません。腎臓は老廃物や不要な化学物質などを排出する器官であるため、そうした物質が多いほど負担になるためです。
他に腎臓の負担になるもの…お酒、砂糖、化学物質(農薬や食品添加物)を極力避けること、基本的には少食が望ましいことをお伝えしました。
「体脂肪率が高い」という点については、特に何かする必要はない、とお話ししました。
腎臓をケアするために肉や魚を減らしていくと、自然にぜい肉が落ちてスリムになっていくのが普通だからです。
「肉や魚を減らしたら、自然に体重が減った」というのは、ルナのサステナ・フード教室に通う多くの生徒さんがおっしゃるところ。
特に食べる量を減らさなくても、運動量を増やさなくても、肉や魚を減らすだけで、月に1~2kgずつだんだんに減っていくものなので、おそらく自然とそうなるでしょう。
「肝腎要」の言葉どおり、腎臓は健康の要となる臓器なので、疲れやすさもたんぱく質の摂り過ぎによる腎臓の負担から来ている可能性が高く、それも同時に消えていくことが期待できます。
さて、最後に「肩こり」ですが、これは普通、食事の改善だけでどうにかなるものではありません。
イネイト活性療法による診断では、根本的な原因は骨盤の歪み、という結果が出ました。
骨盤と肩で人間は無意識のうちに重心のバランスを保っているものなので、骨盤が歪むと肩も自然にどちらかが上がるなどしてしまい、無理な姿勢によって筋肉が引っ張られ、血行が悪くなって肩こりになるのです。
イネイト活性療法にはその歪みを治すための治療もあるのですが、この日は相談のみとのお約束でしたので、自分でできる骨盤体操を2種類お教えして終了としました。
治療をしても日常生活で足を組むなど骨盤をゆがめるような姿勢をしてしまうと、また同じ症状を繰り返すことになるので、日々自分でケアしていくのが本当は一番いいのです。わたしが自分で試して高い効果を確認した体操をご紹介しています。
「泌尿器系(腎臓・膀胱)が弱い人は特に、肉や魚は極力控えめにするのがおすすめです。わたしも腎臓が弱いので、動物性食品は週200g以内に抑えるようにしています」
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