食と環境

草食系男子の増加の原因とは?

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「草食系男子(=性欲があまりない男性)の増加は肉食の減少が原因では?」という説を真面目に論じた記事がありました。グラフなども示され、もっともらしく見えるかもしれませんが、わたしに言わせれば、トンチンカン。草食系男子の増加は、環境ホルモンの影響に決まっとるがな、です。

精子

デンマーク、コペンハーゲン大学のニルス・スキャベク教授の調査によれば、1938年から1990年にかけて、成人男性の精子数は、ほぼ半減。日本男性については、慶応大学の吉村泰典教授が1998年に研究を発表していますが、1970年代の日本男性の平均精子数は1mlあたり6500万個。1980年代には6300万個、1990年代には5700万個、とやはり急速な減少が見られます(『奪われし未来』より)。

環境ホルモンは人間の体内で女性ホルモンと似たような作用をする物質です。たとえばビスフェノールAはプラスチックや、缶の内側をコーティングする薬剤などに含まれます。そのほかにはかつて先進国で広く使われていた農薬DDTなどが代表です。畑にまかれたDDTは雨に流されて、地下へ、川へと流れ込み、最終的には海を汚染し、また水蒸気とともに蒸発して、雨となって世界中に降り注ぎ、世界をくまなく汚染しました。それが世界中で起きている男性の精子数の低下につながっている、とわたしは考えています。DDTはなかなか分解されず、先進国での使用禁止(1972年)から30年以上経っても、ホッキョクグマの体から検出されたりしています。農薬による環境汚染の深刻さを、わたしたちはよく考える必要があります。

1998年に環境省が「内分泌かく乱物質(=環境ホルモン)と疑われる物質」としてリストアップした物質は65種類ありましたが、そのうちの44種類までもが農薬です(すべてが環境ホルモンだと確認されたわけではありませんが)。

過去に使われた農薬はどうしようもありませんが、これ以上農薬を使わせないようにすることが、今のわたしたちにとってできること。そのためには……農薬の使われていない「有機」や「自然栽培」の野菜を買って、そうした農家を支えることが重要なのです。わたしたちがフツーの(=農薬利用の)野菜を買うということは、農薬の使用を奨励しているのと同じことになってしまいます。

環境をこれ以上汚染しないようにするために、そしてわたしたち自身の未来を守るために……農薬の使われていない「有機」や「自然栽培」の野菜を買うようにしましょう!

 なお、わたしの考えでは、①完全な菜食は性欲を減少させることもある(必ず減少させるとまでは言いません)②正常な性的機能を保つために必要な動物性たんぱく質の量は1日にせいぜい6g程度(肉や魚にして130g程度) です。

参考資料:

危険な農薬は今も使われている枠付

 

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