松葉茶が新型コロナワクチンのデトックス(排毒)に役立つ、とされて一部で流行しています。
本当なのでしょうか?
結論からいうと、根拠はなく、おそらく誤解に基づいて広まった説だと思われます。
その誤解とは……松葉茶には「スラミン」という成分が含まれ、それが抗ウイルス作用を持つことから、ワクチンの成分であるmRNAの働きを阻害する、というものです。
しかし「スラミン」は人工的に合成された薬剤であって、松葉茶には含まれないようです。
mRNAワクチンを痛烈に批判している科学者であるジュディ・マイコビッツ博士が、ワクチン解毒のために松葉茶を勧めた、というのが、松葉茶流行のきっかけだったようですが、実際にはマイコビッツ博士は「松葉茶にスラミンが含まれると言ったことはないし、松葉茶を勧めたこともない」とのこと。スラミンを勧めたことはあるらしく、また、松の樹皮に含まれる成分(ピクノジェノール)も勧めたことがあるため、誰かがそれを混同してしまい、そこから誤解が広まったと考えられます。
というわけで、松葉茶にスラミンは含まれておらず、mRNAのデトックスに役立つかどうかは定かでありませんが、しかし松葉茶に健康への効能がないわけではありません。
古くは古代中国で編纂された『神農本草経』にも松葉茶の項目があり、「五臓を整え、久しく服すると身が軽くなり、年を取らず長生きできる」と記されています。
松葉茶の有効成分は、クロロフィル(葉緑素)、ケルセチン、テルペン製油、酵素、鉄分、ビタミンK・A・Cなど。
クロロフィルは血液中のヘモグロビンと構造がよく似ていることから、造血や血液浄化に役立つと考えられています。
ケルセチンはフラボノイドの一種で抗酸化作用が高く、老化防止や体内のサビ取りに役立ちます。
テルペン製油は森林浴効果をもたらす香り成分です。
こうしたさまざまな成分の作用で、老化防止、強壮作用、ボケ防止、不眠症対策、心臓病の改善、高血圧の改善などの作用がある、とされ、日本でも古くから民間療法として用いられてきました。
日本にある松は主に黒松と赤松ですが、できれば赤松の若葉がよいとされます。
うちは庭に黒松の木があるので、その松葉を使って、最初は松葉ジュースを作ってみました。
松葉を根本から切り、
水と一緒にミキサーにかけてみました。ちなみに松葉は6g、水120mlでした。
きれいな抹茶のような色の飲みものができました。
味は意外なことに少し酸味があります。松の爽やかな香りもあります。苦味などはありません。しかしずいぶんミキサーにかけたのに、飲んでみるとやはり松葉の繊維が気になります。やはりお茶にしたほうがよさそうです。
そのまま小鍋に入れ、沸騰してから5分ほど煮だしました。
煮ることで香はかなり抜けてしまいますが、抗酸化成分はぐんと多く溶け出してくるとされています。
そうしてできたものを茶漉しでこしたのがこちら。見た目は緑茶のよう。わずかな酸味とクセのない味で、特においしいというほどでもなければ、飲みにくさもありません。古くから民間薬として用いられ、副作用のないことも確認されているので、老化防止や病気予防に継続的に飲むのもいいでしょう。
なお、マイコビッツ博士おすすめの、松の皮に含まれる成分=ピクノジェノールは、ワクチンのmRNAでつくられたスパイクたんぱくが、ACE2受容体に結びつくのを阻害する働きがあるとされます。ワクチン後遺症に悩む人は不調が改善する可能性がありますので、試してみてもよいでしょう。ちなみにピクノジェノールはサプリメントで摂ることができます。
「常に緑を保ち、不老長寿のシンボルでもある松。ワクチンデトックスに効くかは不明ですが、不老長寿のための健康飲料としてはおすすめです」
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