血糖値が気になっていませんか?
「血糖値スパイク」という言葉が近年注目を集めています。これは食後一時的に血糖値が跳ねあがるという症状で、グラフにするとスパイク状に見えることから、そう呼ばれるようになりました。正常な血糖値は100mg/dl程度。通常はお腹が空いても70mg/dl以下には下がらず、また食後でも140mg/dl以上には上がらないとされています。その範囲を超えて、食後の血糖値が高くなるのが血糖値スパイクです。糖尿病でないのに、食後だけ200mg/dlを超えて上がってしまう人もいます。
血糖値スパイクの何が問題?
以前は血糖値スパイクがある人は糖尿病予備軍と見て注意する必要がある、とだけ考えられていました。
が、近年では、一時的にせよ血糖値が高くなるのは健康上好ましくなく、血糖値スパイクそのものを解消すべき、と考えられるようになってきています。
高血糖は血管を傷つけ、活性酸素を発生させます。活性酸素は体を酸化させますが、酸化は老化のもとであり、また万病のもとなのです。一説ではあらゆる病気の9割は活性酸素が原因で起きるといわれるほどです。
また、血管が傷つくことにより、毛細血管の集中する臓器、たとえば目、脳、腎臓、肝臓、肺などへも悪影響が及ぶと考えられます。
血糖値スパイクがあるかどうかを知る目安は?
通常の健康診断では血糖値スパイクがあるかどうかははっきりわかりません。「空腹時血糖」(=朝食前のお腹が空いた状態の血糖値)しか測らないからです。しかし、「ヘモグロビンA1c」(=過去2か月間の血糖値の平均を反映する数値)という項目を見ることで、ある程度推測ができます。ヘモグロビンA1cは5.6未満であれば正常とされますが、基準内であってもギリギリの人(5.5とか、5.4など)は血糖値スパイクがある可能性があります。
血糖値の悩みーわたしの場合
わたしはお腹が空くとフラフラになって頭が働かなくなるなど、典型的な低血糖症の症状があるのに、ヘモグロビンA1cは高めでした……ということは、血糖値がうんと低い時がある一方で、うんと高い時もあるのではないか、とずっと疑ってきました。血糖値スパイクが話題を集めるようになって以来、さらにその疑いを強め、ついに血糖値計を買って測ってみたのが、約4年前。初めて食後約1時間の血糖値を測ったときには大変な衝撃を受けました。なんと、血糖値が239mg/dlもあったのです!
漠然とですが、血糖値が高くなるとはいってもせいぜい180mg/dl程度なのでは、と想像していました。しかし、想像はそれをはるかに超えていたのです。ちなみに4年前のヘモグロビンA1cは、5.5と、基準値以内。空腹時血糖値は83mg/dlとごく普通でした。健康診断ではまったく問題ないとされる数値なのに、一時的にせよ血糖値が239mg/dlにも上がり得るとは……しかも今自分が高血糖であるという自覚症状はまったくないのです。そこがさらに怖いところだと感じました。
血糖値スパイクの一般的な改善策
血糖値スパイクの改善策として勧められるのは食後の運動です。食べ終わって箸を置いたらすぐに散歩するのがよい、と一般的にはいわれています。散歩する時間がなければ、立った状態で掃除などの家事をやるだけでも多少の効果があり、座りっぱなしでいるよりは血糖値スパイクを低減させることができるとされています。
食事においてはよく言われるのでご存知の方も多いと思いますが、まず野菜→たんぱく質のおかず→ご飯、という順番で食べると血糖値が上がりにくいといわれています。野菜を最初に食べるといいのは、食物繊維には血糖値の上昇を緩和させる作用があるからです。
食物繊維を多く含むため、玄米のほうが白米よりよい、ということもいわれますが、糖質は血糖値を上げやすいので、あまり多く摂らないほうがよい、というのも一般的にはよく言われることです。
しかし、穀物こそが人間の基本的な主食である、と考えるわたしにとっては、ご飯を減らして、肉や魚、あるいは大豆製品などのおかずを大量に食べるというのは、あまり健康的な食べ方とは思えず、悩みに悩んでいろいろと試行錯誤を重ねてきました。
血糖値対策には筋トレを!
自分の血糖値スパイクを確認してからは、食べる順番に気を付けたり、食後になるべく散歩するなど努力をしてきました。それによって血糖値スパイクが200mg/dlを超えることはほぼなくなったものの、150~180mg/dl程度のことが多く、ヘモグロビンA1cも下がらず、むしろ5.8にまで上がっていました。
それが最近初めてガクンと減ったのです! 直近の検査では5.0!
その理由は……筋トレ=筋力トレーニングです。
これは冷静になって、人間の体が血糖値を調整するメカニズムを考えてみれば至極当然のことなのです。血糖値が高くなると、膵臓からインスリンが分泌されますが、それによって血糖が取り込まれる場所はどこかといえば、肝臓と筋肉です。肝臓と筋肉は、血糖をグリコーゲンに変えて蓄えておき、必要なときに放出します。
人間の筋肉量は20歳頃がピークで、それ以降少しずつ減っていくといわれています。下肢の筋肉は50歳で1割、70歳では2割以上減ってしまいます。筋肉が減れば、必然的にそこに取り込まれる血糖の量も減っていきます。これが血糖値スパイクのひとつの原因になっているのです。もちろん、原因はこれだけではありませんが、このことに言及する人は少なく、多くの医者や研究者にとって盲点となっているように思われます。
だから筋トレをして筋肉量を増やせば、インスリンの信号によって血糖が筋肉に取り込まれる量も増え、血糖値はスムーズに下がりやすくなるのです。
食後すぐの散歩に替えて、食後すぐに筋トレをすればより効果的です。その理由と実際の筋トレの方法は、次回のブログでお伝えします。
「血糖値対策にはご飯(お米)を食べる量を減らせと世間ではいうけれど、どうにも納得がいかず、悩む日々でした。お米を普通に食べていても血糖値対策は可能であることを多くの人に知っていただきたいと思います」
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