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免疫力でコロナを跳ね返せ!-2.行動で免疫力アップ

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消毒や三密回避に神経質になるよりも、自分の免疫力を高く保つことこそが重要。免疫力を高める食事については前回のブログで書きましたので、今回は免疫力を高める行動についてご紹介したいと思います。

〇舌の体操で鼻呼吸をキープ

人間は本来鼻で呼吸するようにできており、鼻から入った空気は鼻毛のフィルターでほこりを除去され、鼻腔で温められ、加湿されてから気道に入ります。ところが現代人は口呼吸の人が多いために、気道が渇きやすくなり、唾液によるバリアー効果が弱まって、ウイルスに感染しやすい傾向にあります。口呼吸から鼻呼吸に変えるだけで、ウイルスに感染する確率をぐんと減らすことができます。しかし、鼻呼吸のほうがいいと知っていても、意識しないとまたいつの間にか口呼吸に戻ってしまう、という人もいるのではないでしょうか。そんな人にぜひおすすめしたいのが、「あいうべ体操」という舌の体操です。これは福岡県のみらいクリニック今井一彰院長の考案によるもので、この体操を毎日することで、舌から喉にかけての筋肉が鍛えられ、舌の位置が正常化し、自然に上顎の裏に舌先が着くようになります。すると意識しなくても自然と鼻呼吸できるようになるのです。この「あいうべ体操」を取り入れたことで、インフルエンザ感染率が激減した小学校もあります。ぜひやってみてください。

「あいうべ体操」

「あー」と口を大きく丸く開く。

「いー」と口を横いっぱいに開く。

 

  「うー」と口をすぼめて前に突き出す。

「べー」と舌を思いきり長く出す。あごの先を舐める感じで。

上記で1セット。これを1日に30セットを目標に行います。

 

〇昼間に40分以上歩く

運動は健康にいい、というのは常識ですが、免疫力向上の観点からは骨へ負荷・衝撃が加わることが重要なポイントとなります。

歩いたり走ったりすることで骨に衝撃が加わると、骨の中にある骨芽細胞が刺激され、オステオポンチンというホルモンが分泌されます。その刺激で骨髄の中で免疫細胞が増産され、免疫力の向上につながることがわかっています。縄跳びやスキップ、ランニングなどは骨への衝撃を加えるのに大いに効果的ですが、そこまでできない、という人も多いでしょう。そんな人は歩くだけでも大丈夫。ただし自転車は衝撃がほとんどないため骨芽細胞の刺激にはつながらないようです。

せっかくウォーキングやランニングをするのなら、昼間、太陽光のもとでするようにしましょう。なぜなら日光浴も免疫力アップに大いに有効だからです。

日光を浴びることで体内でビタミンDが合成されますが、これが免疫力向上のひとつの鍵を握っていることが近年注目されるようになりました。ビタミンDは食品からも摂れますが、それだけでは足りず、日光浴によって体内で合成することも不可欠なのです。しかし現代人は日焼け止め対策のし過ぎか、不足気味の人が約半数にのぼります。冬なら顔と両手に日光を受ける時間が1日に40分は必要です。ですから、昼間に屋外で40分ウォーキングをすれば、運動も日光浴をもできて一石二鳥。日焼けによるシミやしわが気になる夏ならば帽子やサンバイザーで顔を隠し、代わりに腕や脚に陽を受けるのもいいでしょう。ビタミンDは脂溶性なので、体内の脂肪にある程度蓄積できます。

〇笑う

免疫力アップの鍵のひとつは自律神経です。免疫力が飛びぬけて高い人は、交感神経も副交感神経も働きがよく、さらに副交感神経が少し優位にあることがわかっています。緊張したりストレスを感じたりすると交感神経が優位になってしまいますが、リラックスしたり笑ったりすると副交感神経が優位になり、免疫力を高く保つことができます。コメディを見る、落語を聞く、子どもと遊ぶ、などなど、笑いにつながる体験を探しましょう。そんな時間が取れない、という人は、「ワハハハハ」と声に出して笑うフリをしてみましょう。いつの間にか本当におかしくなってきたりしますので、試してみてください。「笑いヨガ」というものもあるそうですが、それも免疫力の向上を狙っているものと思われます。友達と会って冗談を言い合うのも大いに結構。家にこもってばかりいるよりも免疫力の向上になりますよ。

 

〇安易に薬に頼らない

風邪、インフル、新型コロナ……すべて病原体はウイルスです。抗生物質が殺すのは細菌だけであって、ウイルスは殺せません。ウイルスは生物と無生物の中間ともいわれ、単独で増殖することができません。人間や動物などに感染し、その細胞が本来持っている生命力を利用して増殖します。そのため、人間や動物など(宿主といいます)の細胞に害を与えることなく、ウイルスだけを殺せる薬は存在しないのです。いわゆる風邪薬はすべて症状を和らげる効果しかありません。

ウイルスと細菌とでは大きさも構造も増殖の方法も全く違います。抗生物質は細菌にしか効きません。

日本で病院にかかると単なる風邪なのになぜか抗生物質を処方されることが多々あります。抗生物質は細菌を殺す薬ですので、服用すれば腸内細菌も大量に死んでしまいます。下痢を引き起こすこともありますし、腸内環境が乱れますので結局は免疫力の低下につながるおそれがあります。腸内環境の悪化はアレルギー体質にもつながり、意外なところでは自閉症との関連も疑われています。細菌感染が確認されてもいないのに抗生物質など飲むものではありません。(細菌感染しているかどうかは病院での血液検査で簡単に確認できます。白血球の一種である好中球が大幅に増えていれば細菌感染と認められます)

風邪の症状はすべてウイルスとの闘いを有利に運ぶために起こるもので、症状を止めてしまえば、それだけ闘う力=自然治癒力は低下します。たとえば体温が1度上がれば、免疫力は50%~600%も向上するといわれています。熱があがるほど病原体をやっつける白血球や体内のさまざまな反応を引き起こす酵素の働きが活性化するためと考えられています。またそもそもウイルスは熱に弱く、40度程度で死滅します。つまり、感染症で熱が上がるのは、病原体と闘うのに有利な環境を整えるためなのです。薬で熱を下げてしまっては、せっかくの免疫力が下がってしまいます。40度以上になれば話は別ですが、そうでもなければ安易に解熱剤などを使わないようにしましょう。(ただし高熱のときは汗をかき脱水症状を起こすことのないよう水分補給に注意する必要があります。また脱水や食欲不振を起こしがちな高齢者の場合には、もう少し手前で解熱剤を検討しましょう)

 

〇具合が悪ければ「寝る」「温まる」

具合が悪いときは横になるのが一番の薬。休息を取ることで、体は持てる力のすべてを病原菌との闘いに振り向けることができます。また、体の高低差をなくすことで血液中の免疫成分が体の隅々まで容易に運ばれるようになります。

横になることで眠くなりますが、眠りを誘うホルモン、メラトニンは抗酸化作用が高く、これも免疫力を高めてくれることがわかっています。

布団をたくさんかけて温かくすることも大切です。汗をダラダラかくくらいのほうが一層免疫力が上がります。食べもの飲みものも温かいものを摂りましょう。

感染初期にこれさえきちんと実行すれば、ほとんどの人は自分の免疫力だけでウイルスを退治できるのです。風邪気味かな、と思ったら、無理せずなるべく早く休息を取ることを心がけましょう。

「昼間に歩く、とか、具合が悪ければ寝る、とか、本当は当たり前のことばかり。でもその当たり前から現代人は離れてしまいがち。人間本来の自然な暮らしを取り戻せば、おのずと健康になれますよ」

美絵似顔絵イラスト
自然療法家 安田美絵

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