食の安全

日本の食料自給率が低いことはかねてから問題になってきましたが、ウクライナ戦争の影響で「食料安全保障」に対する危機感がさらに高まっています。日本人の食卓に欠かせない味噌、醤油、豆腐、納豆などの原料になる大豆の自給率は特に低く、わずか7%しかありません。7%は飼料用も含めた数字ですが、食用に限っても25%しかなく、もしも大豆の輸入が止まったら、味噌汁は2日に1杯しか飲めない計算です。いざ

「ゲノム編集」は新しいタイプの遺伝子操作で、従来型の遺伝子組み換えよりは精密な技術とされていますが、本質的には従来の遺伝子組み換え同様、安全性に不安の残る技術です。ゲノム編集作物で、日本でもっとも早く実用化されたのはトマト。高血圧などに効果のあるGABAを通常より多く含む「シシリアンルージュ・ハイギャバ」という品種が、サナテックシード社によって開発されました。GABAを多く含むトマトは通常

近年、健康志向の人の間で、小麦(またはグルテン=小麦たんぱく)が体に悪い、という説が流行っていますが、わたしはこれに異を唱えています。小麦の悪影響と思われている諸症状の真の原因は、多くの場合、小麦に散布される農薬、そしてパン酵母ではないか、というのがわたしの考えです。詳しくご説明しましょう。小麦悪玉説によれば、小麦は品種改良を積み重ねる間にたんぱく質が複雑化しすぎて、古代の自然な小麦とはもは

(あれ? こんなもの頼んでないはずなのに……)生協が運んできたのは「サラダ油」の大型プラボトル。裏にはこんなラベルが。どうやらわたしは「国産なたね油」を注文するつもりで注文用紙の隣の欄の「サラダ油」にマークしてしまったようです。原材料欄のなたね油も、大豆油も、とうもろこし油もすべて「遺伝子組み換え不分別」。この「遺伝子組み換え不分別」という言葉の意味、みなさんは正確におわかりですか? 

遺伝子組み換え反対運動で全米のお母さんたちを束ねるマムズ・アクロス・アメリカ代表のゼン・ハニーカットさんの講演会に行ってきました(令和元年12月2日)。わたしにとって一番印象に残ったのは、講演後の質問の時間、参加者から「オーガニックの食品は価格が高く、購入するのがむずかしい人たちも多いと思いますが、それに関してはどのようにお考えですか?」という問いに対する答えでした。「I love tha

自然栽培の野菜、肥料をやらないで育てた野菜のほうが健康には良い、特に病気の人や虚弱体質の人にはよい、と前回のブログで述べました。今回は、その理由についてご説明するとともに、現実の野菜にどの程度の肥料の残留物が含まれているかを考えてみたいと思います。肥料の三大成分は「窒素、リン酸、カリ(カリウム)」といわれます。窒素は空気の約80%を占める物質ですが、植物はこの気体を吸収することはできません

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