9/28に栃木の「有機稲作チャレンジ」の一環として、稲刈&収量調査に行ってきたので、遅ればせながらご報告します。
わたしたちが田植え機を運転して植えた田んぼが実りの時を迎えていました。
この日の朝までは激しい雨だったため、稲穂も濡れており、コンバインによる収穫は無理、ということで断念。
その代わり、部分的に稲を刈って、収量調査をすることになりました。水口に近い部分と遠い部分では水温が違い、それによって稲の生育も違ったりするので、田んぼの中のいろいろな場所から、サンプリング調査します。
この日は一カ所だけで刈り取りをしました。
これが刈り取った半径56.5cm分=1㎡分の稲。刈り取った稲は13.5株でした。
右は敬愛する稲葉先生です
ひとつの穂が付いているものを1本として、まず本数を数えます。全部で180本でした。
一株当たりの平均穂数は13.3本となります。
一株の平均穂数に近いものを調査のために取り分けておきます(=調査株)。
残りは束ねてから足踏み式脱穀機で脱穀=稲の粒を外します。
稲穂が取れた後の稲の束。
ここで問題発生。足踏み式脱穀機の中に蕎麦(そば)が少し残っていて、混じってしまったのでした。黒っぽいのが蕎麦です。
なんとか米だけを選り分けました。
ふるいにかけて、藁くずなどを取り除きます。
水に入れると、中身の詰まっていないもみ殻は浮いてくるので、それを取り除きます。
精米したものはこちら。
とってもきれいです。無農薬だと、カメムシが付いてしまうことがあり、カメムシに汁を吸われると、白いお米に黒い斑点ができてしまうのですが、これは無農薬ながら、斑点がひとつもありません。
カメムシが繁殖しないのは、田んぼにたくさんいる蜘蛛が、カメムシを食べてくれるから、とのこと。蜘蛛の餌となるユスリカは農薬を撒くと死んでしまうし、肥料も化学肥料では繁殖しないのだそうです。
こちらは調査株から取り外した稲穂のアップ。ひとつの稲穂に何粒のお米がついたかも数えます。
ひとつの穂には平均105.6粒のお米が付いていました。
登熟歩合(塩水に沈む=ちゃんと中身が詰まっている粒の割合)は87.0%、千粒重は21.6g、これは結構いい数値だそうで、なかなかいい出来具合だとのことでした。
10アール当たり6俵程度の収量になる計算です。有機稲作で普通に一毛作の場合には7~8俵の収量が一般的だそうで、それに比べれば若干少なくなりますが、麦の収穫もあるわけですから、合計すれば収量は多くなり、農家の収入は増えるというわけです。
今回は麦の収穫の後に田植えをしたわけですが、麦の収穫を待って田植えをすると、田植えはどうしても遅くなり(今回は6/18)、そのため、30日~40日のかなり成長した苗を植えることになります。一般的にはトレーに種をばらまきし、播種後15日~20日程度の苗を植えますが、そのやり方だと密に植わってしまって、いもち病や紋枯れ病などの原因になるそうです。ここではポットに種まきし1~2本ずつ疎植する、というのが病気を防ぐポイントになっているようです。
麦→稲→なたね→稲、あるいは麦→稲→麦→大豆 というふうに、1年間に1か所で2種類の作物をつくること(=2毛作)は可能なのです。輪作によって雑草も減り、大豆の栽培によって土の肥料分も増え、農薬や化学肥料を使わずに栽培することも可能です。この農法をもっと広めれば、主食となる米・麦、基本調味料やたんぱく源になりうる大豆、さらに油という基本的な食料を国内で増産して食料自給率アップにつなげることもできますし、有機農業の実践によって環境保護にも人々の健康にも役立ちながら、2毛作によって農家の収入確保もしっかりできる、というふうにいいことづくめ。
この農法が日本中に広まることを心から願わずにいられません。
稲葉先生のところ(日本の稲作を守る会)では、小麦、大麦、菜種油などをまとめて買い取ってくれる生協などの大口の顧客を探してもいるようです。そんな需要のある方はぜひ連絡を取ってみてくださいね。
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