映画『バナナの逆襲』第2話~それでもバナナを買いますか?

映画『バナナの逆襲』第2話「敏腕ドミンゲス弁護士現る」を見てきました。

南米ニカラグアのチナンデガ県。バナナ農園近くのある村では、毎日のように誰かが亡くなります。おそらくその理由は、バナナ農園で大量に使われる農薬。バナナの値段の三分の一は農薬の値段だといいます。それほど多くの農薬が使われているのに、労働者は十分な防護対策も施されずに、労働に従事しています。

農薬によって、がんなどさまざまな病気が引き起こされますが、もっとも因果関係がはっきりしているのが、農薬DBCPと男性不妊(無精子症)との関連。多くの男性労働者がこの農薬被害によって子どもに恵まれず、そのために離婚に至る人などもいて、孤独な人生を送ることを余儀なくされたのです。映画はその損害賠償を求める訴訟を軸に展開します。

今はもうDBCPは使われていませんが、他の農薬はいまだに使われていて、いまだに多くの人がそのせいで亡くなっているというこの現状。そして、農薬の危険性を知っていながら、労働者への配慮などまったくしようとしない多国籍企業。裁判ではその企業の「悪意」もしっかりと認定されました。

今ではコンビニでもどこでも安く売られているバナナですが、その背後にはそんな悲惨な現実があります。どうしてもバナナを買うなら、そういう搾取とは無縁なフェアトレードの有機のものを選んで買うようにしたいですね。

無造作にスーパーのバナナを買えば、それは不道徳な多国籍企業を応援することにつながってしまいます。わたしたちの食の選択で、お金が良い生産者だけに流れるようになれば、そんな多国籍企業は衰退し、健康被害に苦しむ労働者も減っていって、社会は変わっていくはずなのです。

映画で訴えられる企業はドール社(とダウ・ケミカル社)なのですが、原告側弁護士などが、裁判に勝訴したお祝いの席にドール社の100%ジュースを買ってきたのには唖然! これは悪い冗談以外の何物でもありません。あんなふうにして悪徳企業を儲けさせてはダメでしょう!
安さにひかれてドール社のジュースを買わないで。ジュースを買うなら国産のものを選びましょう。

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※ドール社の「悪意」とは…
1977年、アメリカのカリフォルニア州の工場でDBCPを取り扱っていた労働者たちが不妊になっていたことが発覚。農薬をつくるダウ・ケミカル社がドール社(当時はスタンダード・フルーツ社)に農薬を回収したいと通知します。
ドール社はその回収に応じなかったばかりか、ダウ社に対し新しい注文に応じるよう要求し、それに応じなければ契約不履行になる、とダウ社を脅します。
ダウ・ケミカル社は損害賠償の保障がなければ売らない、とし、ドール社はそれを受け入れて購入を続けました。
1979年アメリカ政府から使用を禁止する通達がドール社の元に届きましたが、その後もドール社はDBCPの在庫が完全になくなるまで使い切りました。
労働者には防護服やマスクなどは一切支給されず、バナナの木から滴り落ちる農薬交じりの水に濡れたり、その水でぬかるむ農園を裸足で歩いて作業するなどしていました。

※バナナは夏の食べもの
バナナは熱帯産で体を冷やす作用があります。フェアトレードのものを買う場合でも、夏に限るのがおすすめです。特に菜食にしている人は体が冷えがちなので十分に気を付けましょう。

※国産100%ジュースならいいの?
現代の果物は自然とはいえないほど甘みの強いものが多く、またジュースにすることで消化吸収もよくなるため、血糖値を急激にあげるなどの弊害をもたらしがちです。また強力な甘みに慣れてしまうと、野菜や穀物の自然な甘みのおいしさがわからなくなってしまうという問題もあります。健康のためには、100%ジュースは1日100mlまで。水で倍に薄めて飲んだり、豆乳ヨーグルトと混ぜたりするのがおすすめです。